家をかじり、住まいに悪影響を与える害虫として知られる「シロアリ」。
家の中で急に発生し、恐怖を覚えた経験のある方もいるかもしれません。
対策方法などを調べる中で、「羽アリ」という言葉を一緒に見かけるという方は多いのではないでしょうか?
しかし、「羽アリはシロアリの仲間なのか?」と疑問に思うことでしょう。
目次
シロアリと羽アリの違いは?見分け方を紹介!
まずはシロアリと羽アリの違いについて紹介します!
「シロアリ」と「羽アリ」にはどういう違いがあるのでしょうか?
まず、「シロアリ」とは「昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科」に属する昆虫です。
名前に「アリ」と入っていますが、ゴキブリの仲間になります。
普段は主に床下や木材の中に生息しているため、人目に触れる機会は多くありません。
一方、「羽アリ」とはシロアリやクロアリに「羽」が生えている虫の総称です。
「働きアリ」や「女王アリ」などと同様、シロアリやクロアリの役割の1つ。
巣が大きくなってアリの量が増えると、新たな巣へ飛び立つために羽アリとなります。
巣が見つかると羽を落とします。
羽アリは「シロアリ」と「クロアリ」に分けられます。
クロアリとは、一般的に「アリ」と呼ばれる昆虫のこと。
両者は全く異なる生き物です。
しかし、見た目に関しては間違えやすいでしょう。
シロアリは、クロアリのように茶色~黒色の体色であることが多いからです。
体色で区別することは難しいですが、見分けるポイントはあるのでしょうか?
2種を表で比較!
シロアリの羽アリ ↑クリックして画像を確認 |
クロアリの羽アリ ↑クリックして画像を確認 |
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サイズ | 4.5~9mm | 7~12mm |
翅 | ・前後の翅(はね)の大きさがほぼ同じ | ・頭側の翅(はね)のほうが長く、お尻側の翅のほうが短い |
翅の模様 | 薄い網目模様 | 濃い網目模様 |
触覚 | 直線で数珠状 | くの字型 |
胴体 | くびれがなく寸胴型 | くびれがあり、頭部・胸部・腹部に分かれる |
発生時期 | 4~10月(種類によって異なる) | 春先~初冬(種類によって異なる) |
「翅(はね)の大きさ」や「胴体の形」に違いがあることが分かりますね!
また、発生時期にも注目。
建物に被害を与える主なシロアリは4月中旬~5月(ヤマトシロアリ)、6~7月(イエシロアリ)にかけて羽アリが発生し、他の時期では発生しません。
シロアリの羽アリとクロアリの羽アリが及ぼす被害
続いてシロアリの羽アリとクロアリの羽アリが及ぼす被害について紹介します!
シロアリの羽アリとクロアリの羽アリ。
2種によってどんな被害がもたらされるのでしょうか?
表で比較!
シロアリの羽アリ | クロアリの羽アリ | |
被害対象 | ・柔らかい木材(家具やガーデニング用品など) ・段ボール ・プラスチック ・コンクリート などシロアリの栄養源は「セルロース」 |
・砂糖 ・お菓子 ・白米 などクロアリの栄養源は「糖質」 |
シロアリの中には家の建材に大きな被害をもたらす種類がいます。
それは、「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の3種類。
これらの種により建物の土台となる木材が食い荒らされ、家が倒壊する危険もあります。
一方、クロアリは糖質をエサにして生活する昆虫です。
そのため、食害に遭った場合はクロアリである可能性が高いです。
クロアリは、シロアリと違って家をエサにしてかじるということはないため、危険性は低いと言えます。
ただし、クロアリも巣を作る際に木材をかじることがあるため、木材の被害は一概にシロアリとは限りません。
シロアリと羽アリを見つけた時の対策方法
続いてシロアリと羽アリを見つけた時の対策方法について紹介します!
まず、「シロアリ」を見つけた時の対策方法は?
シロアリの数によって適切な応急処置が異なります!
- シロアリの数が1~2匹の場合
- シロアリの数が大量の場合
詳しく解説します!
①シロアリの数が1~2匹の場合
「粘着テープを貼り付ける」「掃除機で吸う」「熱湯をかける」「シャワーをかける(水圧)」の4つの方法が効果的です。
シロアリは刺激に弱い生き物であるため、シャワーの水圧のような小さな刺激でも死んでしまいます。
②シロアリの数が大量の場合
春先から夏の温暖な時期には、シロアリが大量発生することがあります。
これはシロアリが「羽アリ」の状態です。
重要なのは、羽アリが外へ逃げないようにすること。
羽アリの発生する場所にポリ袋を被せ、テープなどで留めておきましょう!
続いて、「シロアリの羽アリ」を見つけた時の対策方法について紹介します!
方法は次の2つ!
- 掃除機で吸い込む
- ポリ袋で捕まえる
それぞれ詳しく解説します!
①掃除機で吸い込む
羽アリを掃除機で吸い込むという方法です。
小さな生物である羽アリは掃除機の吸引力に耐えることができず、簡単に死滅します。
フィルターから外に出てくる心配も不要で、簡単に羽アリを駆除することができます!
手順
- 掃除機で羽アリをすべて吸引する
- 住居用洗剤を染み込ませた雑巾で、羽アリが発生していた場所を拭き取る
②ポリ袋で捕まえる
ポリ袋を使って羽アリを捕獲するという方法です。
巣穴らしき場所が見え、羽アリの発生場所を把握している時に有効な方法!
手順
- 羽アリが侵入する穴を塞ぐようにしてポリ袋を被せる
- 粘着テープを貼り付けて穴を一時的に塞ぐ
最後に、「クロアリの羽アリ」を見つけた時の対策方法について紹介します!
方法は次の2つ!
- 忌避スプレーや殺虫剤を使用する
- 掃除機で吸い込む
それぞれ説明します!
①忌避スプレーや殺虫剤を使用する
忌避スプレーや殺虫剤を網戸などに噴射することで、侵入を防ぐことができます。
また、スプレーをアリに直接吹きかけて駆除することも可能!
②掃除機で吸い込む
シロアリ同様、掃除機で吸い込むという方法も効果的です。
忌避スプレーや殺虫剤の使用に抵抗のある方は掃除機を使用してみましょう!
羽アリの侵入を防ぐための予防対策は?
- 窓を開けっ放しにしない
- 網戸は網目の小さいものに変更する
- 夜はカーテンを閉める
羽アリを家の外で目撃した場合、羽アリを家に入れないようにすることが重要です。
なるべく窓を開けっ放しにしないように気を付けましょう。
また、網目が大きかったり隙間があったりすると羽アリの侵入を許しやすくなります。
5mm以下の網目の網戸と交換するのがおすすめ!
さらに、羽アリは光に向かって飛ぶ習性があります。
したがって、夜は部屋の明かりが見えないようカーテンを閉めておきましょう。
対策をする上での注意点は?
①「シロアリの羽アリ」の駆除には「殺虫剤」を使用しない
殺虫剤には羽アリが嫌う忌避剤が含まれていることがあります。
そのため、殺虫剤をかけても、生き残ったシロアリが危険を察知して他の場所へ逃げ、逃げた先で新たに巣を作ってしまう恐れがあります。
かえって被害が拡大し駆除が困難になる危険性があるため、「シロアリの羽アリ」を駆除する際は殺虫剤を使用しないようにしましょう!
②一時的な対策にすぎないと意識する
紹介した方法で簡単に対策できます。
ただし、あくまで応急処置であることを意識しましょう。
羽アリが発生しているときはシロアリが近くに巣を作っている可能性が高いため、根本的な対策を講じないと完全に駆除することは不可能です。
まとめ
今回は、「シロアリと羽アリの違いは?どっちがやばい?!見分け方や対策を紹介!」と題して、シロアリと羽アリの見分け方や対策について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
紹介した内容を簡単にまとめます!
- 「シロアリ」はアリの仲間ではなく「ゴキブリ」の仲間である。
- 「羽アリ」とは、シロアリやクロアリに「羽」が生えている虫の総称。
- 羽アリは「シロアリ」と「クロアリ」に分かれる。
- 2種を体色で判断することは難しいが、「翅の大きさ」や「胴体の形」などで見分けられる。
- シロアリの羽アリの被害対象は、「柔らかい木材」「段ボール」「プラスチック」「コンクリート」など。
- 「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」「アメリカカンザイシロアリ」の3種類は、建物の土台となる木材を食い荒らすなどの被害を及ぼす。
- 一方、クロアリの羽アリは糖質をエサにして生活するため、「砂糖」「お菓子」「白米」などに被害を及ぼす。
- 「シロアリ」を見つけた時の対策方法については、シロアリの数によって適切な応急処置が異なる。
- 発見したシロアリの数が1~2匹の場合、「粘着テープを貼り付ける」「掃除機で吸う」「熱湯をかける」「シャワーをかける」の4つの方法が効果的。
- 発見したシロアリの数が大量の場合(羽アリの状態)、発生場所にポリ袋を被せ、テープなどで留めておく。
- 「シロアリの羽アリ」を見つけた時の対策方法は
①掃除機で羽アリを吸い込む
②ポリ袋で捕まえる - 「クロアリの羽アリ」を見つけた時の対策方法は
①忌避スプレーや殺虫剤を使用する
②掃除機で吸い込む - 羽アリを家の中に侵入させないための予防対策は
①窓を開けっ放しにしない
②網戸は網目の小さいものに変更する
③夜はカーテンを閉める - 対策をする上での注意点は
①シロアリの羽アリの駆除には「殺虫剤」を使用しないこと
②一時的な対策にすぎないと意識すること。
シロアリに羽がついた状態が「羽アリ」です。
また、羽アリはシロアリとクロアリに分かれます。
被害対象はそれぞれ異なりますが、私たちの生活に被害を及ぼす点は共通しています。