道路や公園などでよく見かけ、私たちの生活に馴染みのある昆虫「クロアリ」。
実はクロアリは、家を食べる害虫であるシロアリを食べることを知っていましたか?
シロアリにとっては天敵なのです!
「クロアリはよく見かけるけど、生態までは知らない」という方は少なくないのではないでしょうか?
クロアリはシロアリを食べる?!実は天敵!
まずはクロアリがシロアリの天敵であることについて紹介します!
クロアリはシロアリを食べることを知っていましたか?
シロアリは腐った木材を食べる「草食」の昆虫です。
一方、雑食のクロアリは捕食者という一面を持ち、シロアリを食べてしまうのです!
クロアリはシロアリを見つけると、集団でシロアリを囲み、捕食します。
シロアリの皮膚は薄いため、クロアリより体の大きいシロアリであっても、軽々と持ち上げられて捕食されてしまいます。
クロアリの生態とは?
続いてクロアリの生態について紹介します!
クロアリは、「ハチ目アリ上科アリ科」に属する昆虫です。
生物分類学上では「ハチ」の仲間に分類され、強い繁殖力と広い行動範囲をもちます。
「社会性昆虫」と言われ、多くは土の中で営巣して生活します。
1つの巣の中で「女王アリ」や「働きアリ」、「兵隊アリ」などの役割分担があります。
クロアリは、幼虫からサナギを経て形態の異なる成虫へと変わる「完全変態」の昆虫です。
また、巣が大きくなってクロアリの量が増えると、新たな巣へ飛び立つために「羽アリ」に変化します。
クロアリは、腐った木を好んで棲み処にします。
もし家の中でクロアリを頻繁に見かけるという場合は、家のどこかに巣を作られている可能性が考えられます。
また、クロアリの種類にはコンクリートを棲み処とする「オズアリ」、機械油を好み自動車や家電製品に巣を作る「ルリアリ」もいます。
そのため、木造建築以外にも巣を作られることがあります。
クロアリは、「6~11月」にかけて発生します。
気を付けたいクロアリの種類
続いて注意すべきクロアリの種類について紹介します!
クロアリは毒を持っておらず、病原菌も媒介しません。
また、農作物や人間に直接被害を与えるわけではないため「不快害虫」に分類されています。
しかし、家に侵入して食害を及ぼしたり巣を作ったりするなど、放置しておくのは危険な昆虫です。
日本に約270種生息していると言われるクロアリの中でも、特に気を付けたい種類はいるのでしょうか?
家の中でよく発生し、被害をもたらす主なクロアリは「ルリアリ」「サクラアリ」「トビイロケアリ」の3種類です!
それぞれ表で詳しく紹介します!
①ルリアリ
体長 | 約2mm |
体色 | 瑠璃色(紫色を帯びた紺色) 光沢があるのが特徴。 |
分布 | 本州中部南岸から四国、九州 |
特徴・被害 | ・動物性のたんぱく質を好む肉食で、中でも機械油を好む。 ・家電製品や自動車の内部に侵入して、巣を作る場合がある。電気器具やスイッチに侵入されると、故障や漏電の原因にもなる。 |
体長 | 約1mm |
体色 | 桜色(薄い茶色) |
分布 | 北海道・本州・四国・九州 |
特徴・被害 | ・家屋に侵入して、壁下や床下、屋根裏などに営巣することがある。 ・マンション基礎部に巣を作ることもある。 |
体長 | 2.5~3.5mm |
体色 | 黒褐色 体表は灰褐色の微毛で覆われている。 |
分布 | 日本全土(北海道から沖縄まで) |
特徴・被害 | ・室内によく侵入し、砂糖やお菓子に群がる。 ・一戸建ての木造住宅で発見される場合が多い。 ・木材をエサとして食べることはないが、木部を巣の材料として削っていくため、家屋の耐久性に影響を及ぼす。 ・シロアリの巣に侵入し、シロアリを食い尽くして自らの巣にすることもある。 |
まとめ
今回は、「クロアリはシロアリを食べる?!実は天敵!クロアリの生態を徹底解説!」と題して、クロアリの生態について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
紹介した内容を簡単にまとめます!
- クロアリはシロアリを見つけると集団で襲って捕食するため、シロアリにとっては天敵である。
- クロアリは「社会性昆虫」と言われ、1つの巣の中で「女王アリ」や「働きアリ」、「兵隊アリ」などの役割分担がある。
- 巣が大きくなって個体数が増えると、新たな巣へ飛び立つために「羽アリ」に変化する。
- クロアリは腐った木を好んで棲み処とする。
- 種類によってはコンクリートや家電製品など木造建築以外にも巣を作ることがある。
- 私たちの生活に被害をもたらす主なクロアリは「ルリアリ」「サクラアリ」「トビイロケアリ」の3種類。
シロアリを捕食するクロアリ。
家をかじるシロアリのように、木材をエサとして食べるわけではありませんが、注意が必要です。
特によく見かける「ルリアリ」「サクラアリ」「トビイロケアリ」の3種は、家屋に浸入して食害や耐久性の低下、製品の故障などをもたらします。