道路や公園などでよく見かけ、私たちの生活に馴染みのある昆虫「クロアリ」。
クロアリは、シロアリのように直接家屋に被害を与えることはありません。
しかし、家に侵入して食害をもたらしたり、種類によっては家電製品の内部に侵入して巣を作ったりするため、放置は危険です!
ただ、「どうやって対策すればいいのか?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか?
クロアリの特徴
まずはクロアリの特徴について紹介します!
日本には約270種生息していると言われる「クロアリ」。
クロアリは、ハチ目アリ上科アリ科に属する昆虫で、生物分類学上では「ハチ」の仲間です。
強い繁殖力と広い行動範囲が特徴的な昆虫です。
また、ミツバチなどと同様、社会性昆虫と言われます。
1つの巣の中で「女王アリ」や「働きアリ」「兵隊アリ」などの役割分担があります。
クロアリの多くは土の中で営巣し、生活します。
クロアリは、幼虫からサナギを経て形態の異なる成虫へと変わる「完全変態」の昆虫です。
巣が大きくなってアリの量が増えると、新たな巣へ飛び立つために「羽アリ」となります。
クロアリは毒を持っておらず、病原菌も媒介しません。
また、農作物や人間にも被害を与えるわけではないため「不快害虫」に分類されています。
クロアリは腐った木を好んで棲み処にします。
自然の倒木のほか、住宅の玄関や風呂場など、木が古くなっている家屋に営巣することがあります。
もし家の中でアリを頻繁に見かける場合は、家のどこかに巣を作られている可能性が考えられます。
また、クロアリの種類にはコンクリートを棲み処とする「オズアリ」、機械油を好み自動車や家電製品に巣を作る「ルリアリ」もいます。
そのため、木造建築以外でも巣を作られる場合があります。
クロアリの発生時期は「6~11月」にかけて。
クロアリは温度と湿度の高い環境を好むため、梅雨の時期のキッチンや浴室、洗面所で目撃されることが多いです。
中でも家の中でよく発生する種類が「ルリアリ」「サクラアリ」「トビイロケアリ」。
クロアリが家にもたらす被害は?
続いてクロアリが家にもたらす被害について紹介します!
クロアリは、シロアリのように木材をエサにすることはないため、家屋に直接的な被害は及ぼしません。
しかし、クロアリが家の中に侵入することで生じる被害があります!
主な被害は次の3つ!
- 木材が削られる
- 家電製品や自動車が故障する
- 食害に遭う
それぞれ詳しく解説します!
①木材が削られる
クロアリは木材をエサとして食べることはありませんが、トビイロケアリなどの種類は営巣のための建材として利用することがあります。
そのため、腐っている木材や古い木材を削ることがあり、家屋の耐久性・耐震性が低下する恐れがあります。
②家電製品や自動車が故障する
「ルリアリ」は動物性のたんぱく質、中でも機械油を好むアリです。
そのため、ルリアリが家電製品や自動車の内部に侵入して、巣を作ってしまう場合があります。
コードをかじられると、故障や漏電の原因にもなります。
③食害に遭う
クロアリの種類によっては砂糖やお菓子などの食品に群がります。
特に、イエヒメアリは食品の袋を破って侵入してしまう恐れがあります。
また、外来種のアルゼンチンアリは根菜や果物に食害をもたらす場合があり、農作物を育てている方は特に警戒が必要です。
クロアリ放置は危険!?すぐできる対策を紹介!
続いて個人ですぐに出来るクロアリ対策について紹介します!
食害をもたらしたり、巣を作ったりするため、クロアリを放置しておくのは危険です。
また、家の中で見かけると不快な気持ちにもなりますよね?
個人ですぐに出来るクロアリ対策は次の4つです!
- 食べ物を保管する
- 部屋を清潔に保つ
- 忌避剤を使用する
- プロの業者に駆除を依頼する
1つずつ詳しく解説します!
①食べ物を保管する
クロアリの栄養源は「糖質」で、主に砂糖やお菓子、白米などを食べます。
そのため、食べ物はフタ付きの容器に入れるか冷蔵庫に入れておきましょう。
②部屋を清潔に保つ
床に食べカスが落ちていると、クロアリが寄ってくる原因になります。
定期的に掃除して、部屋を清潔に保つように心がけましょう。
また、クロアリは一度エサを見つけると「道しるべフェロモン」と呼ばれる物質をその場に残していく習性があります。
そのため、この物質が残っていると、アリを駆除したとしても他のアリが発生する恐れがあります。
対策として、洗剤を付けた雑巾で床を拭くようにしましょう。
③忌避剤を使用する
家の周りに忌避剤を撒くことで、クロアリの侵入を防止できます。
簡単な方法は、レモンや酢を忌避剤として使用すること!
クロアリは、レモンに含まれる成分”クエン酸”やお酢を嫌うからです。
作り方は簡単で、酢(もしくはレモンのしぼり汁)と水を混ぜ、スプレーボトルに入れ、クロアリに直接吹きかけるだけ!
④プロの業者に駆除を依頼する
もし巣を作られていることが判明した場合は、業者に依頼することをおすすめします。
業者であれば、豊富な知識と専門技術で状況に適した方法で駆除を行ってくれます!
まとめ
今回は、「クロアリが家にもたらす被害は?放置は危険!?すぐできる対策を紹介!」と題して、クロアリが家にもたらす被害や個人ですぐにできる対策について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
紹介した内容を簡単にまとめます!
- クロアリは”社会性昆虫”と言われ、1つの巣の中で「女王アリ」や「働きアリ」などの役割分担がある。
- 巣を飛び立つ時に「羽アリ」となる。
- クロアリは腐った木を好んで棲み処にする。
- また、コンクリートを棲み処とする「オズアリ」、自動車や家電製品に巣を作る「ルリアリ」などの種類もいる。
- クロアリは「6~11月」にかけて発生し、温度と湿度が高い環境を好む。
- 中でも家の中でよく発生する種類が「ルリアリ」「サクラアリ」「トビイロケアリ」である。
これらの種は、腐った木材や基礎断熱材を巣の材料にしてしまう場合がある。 - クロアリが家にもたらす被害は
①木材を削る
②家電製品や自動車の故障の原因となる
③食害 - 個人ですぐに出来るクロアリ対策は
①クロアリの栄養源である糖質を含む砂糖やお菓子などはフタ付きの容器に入れるか冷蔵庫に入れておく
②こまめに掃除し、部屋を清潔に保つ
③忌避剤を使用する(レモンや酢を忌避剤として代用できる)
④プロの業者に駆除を依頼する。
クロアリは人間や家屋に直接的な被害を与えるわけではありません。
しかし、巣を作ったり、食害をもたらしたりするため、放置するのは危険です。
個人ですぐに出来る対策はいくつかあるので、1つずつ試してみましょう。